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亜熱帯ジャンクカメラ・オートバイサーフィン

ネットオークションのカメラ・レンズの相場を知り安く買って時には売ってホットな写真ライフを楽しもう。気分はもう亜熱帯! 追記:オートバイ(バイク)・ツーリングの話もあり

 資金的に苦しいが、舶来ものが欲しくなる。それは日常的な責任ある社会生活の重い空気から解き放たれ、思いがけない春風のような心地よさを求める一種のフラストレーションから来るものであろう。そういう爽快感は、人生の痛みを分け合った国産カメラでは、その痛みを思い出して空想の恋から冷めてしまうのである。勿論、70年代の英国ライトウエイトスポーツカーやべベルギアのドカティでもポケットマネーでポンと買えれば最高なのだが、まあ、ちょっと足りないなというのが実際のところだ。これがカメラが相手なら、ぐっと可能性は高まる。ありがたいのかどうだかわからないのだが、デフレの世の中で落札価格で3000円も出せば、そこそこ外観のやれて機関好調のレチナIaを買うことは容易である。しかし、家庭内紅衛兵に昼食代として500円を請求し、実際には280円の牛丼で済ませている身上としては、1000円+α程度の価格帯で勝負をかけたいところである。
 そういうターゲットとして有効なのが東西ドイツ製の普及~中級機である。実際に、廉価で安心感のある舶来機と言うと、ドイツ製しか選択肢はない。ソビエト物はモデルを選べば信頼性は言う程低くないのだが、ロモ系に含まれて結構いい価格帯を形成してしまうのだ。無論、アメリカ物やイギリス物は更に価格帯は高い。ここで言う中級機とは距離計を搭載しないビューファインダーのレンズシャッター機で、シャッターの最速も1/300程度の物件である。無論、レンズは3枚玉が基本となろう。読者殿には「そりゃ安物じゃん」とおっしゃるかもしれないが、拙僧からすればシャッターがB+3速でレンズが3枚玉なら立派な中級機である。普及機と言うと、620判で単玉のボックスカメラとか、そういうカテゴリーになる。
レチナIa


 ドイツで中級機のメジャーブランドと言えばアグファであろう。フィルムメーカーのアグファは、他のフィルムメーカーと同様に販売促進の意味もあってか、廉価でよく写るカメラで知られる。ネットオークションでも頻繁に見かけるが、安易にビットを入れるのはお勧めできない。特に「xxセンサー」とか「xxエレクトロニク」とかが名前に付く電子シャッターの物は避けた方が無難だろう。少なくてもシャッターの切れるコンディションの物でないと、まず、撮影できない完全ジャンクだ。どうも、拙僧はアグファとは相性が悪く、随分と金をドブに捨てている。同じようにコーワとも相性が悪い。ソビエト物は大丈夫なのだが、逆に対ソ戦では惨敗している方もいらっしゃるから、やはり相性があるのだろう。金属製の初期のオプチマ辺りなら1000円台でシャッターが動くブツを確保できる可能性もあるが、あれも基本的にはEE専用カメラだし、そもそもアグファの中級機は新宿あたりに行けば、綺麗で保証付きの物件が3000~5000円で転がっているのでネットオークションは割に合わない。アグファは2005年に一度消滅しているのだが、資本系が変わって現在は復興している。イタリアのフェラニアと密接な関係にあり、トイカメラやトイデジカメの方面で一定のブランドを維持している。資金面で恵まれたロモ系連合軍に支持があるため、値付けも強気だ。なので、我々のような賢者の人民戦線は、あえて中古屋も相手にしないようなマイナーな物件に狙いを定めたいものである。それなら、ネットオークションで気張って落札したノークレーム・ノーリターンのブツが、より安価に中古屋で保証も付いているのを発見し、地団駄を踏んで悔しい思いをしなくてすむ。
 例えば、キングのレギュレッテ「Regulette」などは如何だろうか。
レギュレッテ

 キングは戦前に興ったドイツのブランドである。当初は電気関係のサプライヤーだったが戦争中に操業を停止した。戦後復興したが、幸運だったのは西ドイツに含まれたことだろう。かつての東西対立も、デジカメ世代の若い連中には伝え辛いものがある。我々に関係があるところでは、1950~1980年にカメラを製造している。キングブランドのフィルムも供給していたので、イルフォードやフェラニアに似たビジネスモデルだったのだろう。意外に多くの機種を輩出しており、中には距離計連動機も存在するが、多くは目測ビューファインダーの普及機~中級機である。全盛期は1950~1960年であり、1970年に入ると急速にラインナップを縮小し1980年代半ばには消滅している。1970年代には一眼レフカメラの開発を試みるものの、パテント問題でライカと対立し、結局実現しなかった。丁度、日本の電子化したEE(AE)カメラの躍進と重なる。日本でもタロンやペトリが消滅し、カメラの電子化は思いのほかハードルが高かったのだう。世界的にはキングのブランドは一定の評価があったらしく、その後も香港からキングブランドの110判簡易カメラが登場した。キングというと日本では浅沼商会だが、ブランドの特許申請が1918年だというから直接関係は無く、浅沼商会の方が先輩になる。「キング」などというブランド名は「プリンス」だとか「インターナショナル」だとか、誰でも思いつくので世界中に数多とあるだろう。
 スイートポイントはレンズがカッサー45mmF2.8なのである。テッサーではない、Cassarだ。これは我が国の「ライラ」や「ロールコンター」に迫るとぼけたネーミングだが、メーカーであるシュタインハイルはミュンヘンに位置するメジャーなメーカーである。テッサー銘にあやかったのかは、よくわからない。カッサー銘のレンズは戦前・戦後にかけて、ドイツに留まらず国際的に流通していた。フェラニアの安カメラにも搭載していたが、カッサー付きはグレードの高いモデルとなる。もっとも、本カメラが搭載する「REGULA-CASSAR」を低く評価する方もいらっしゃるようだ。これはヤマハのブレンボをヤマンボと呼ぶようなもので、数十万もかけてブレーキ一式を交換したグットルッキンな方からすれば、容易に認めたくないのも人情と言う物だ。とにかく、戦前の蛇腹カメラから、戦後の安コンパクトカメラにも搭載したレンズだから、特定のレンズ構成は良くわからないのだが、本カメラの物は、まず3枚玉と言っていいだろう。モノクロを通してみたが、ハイライトの滲みや絞っても緩いアウトラインなど、甘い描写が魅力的である。
カッサー45mmF2.8


 もっとも、この個体は結構高く買ったのだ。まだ、拙僧の欧州製の中級機の値読みが甘かった頃にビットを入れたのである。記憶違いでなければ、3000円でビットを入れて、無論競争者は現れなかった。コンディションはパーフェクトで、何故かツアイスの革ケース付き。損をしたとも思わないのだが、デットストックの格安ユーズドチノパンGetの快感は薄い。
 むしろ熱いのは、つい最近落札したADOXであろう。こいつは600円で落札した。そもそも、欲しかったのは同じ出品者のプラクチカやレンズだったのだが、相対的に送料を安くしたくてビットを入れたのである。届いたものはミントとは言わないが、文句のない物である。ADOXは世界最古の感材メーカーであり、やはり普及~中級カメラを製造していた。ADOXのカメラを真面目に取り上げた日本のコンテンツは殆ど無く、本カメラの正体も不明である。気を吐いているのはシュナイダー製のラジオナー45mmF2.8を搭載するのだ。シュナイダーの玉が付いているだけで600円を払う価値はある。撮影に必要な最低限の機能しか付いていないすっからかんのカメラである。
 システム手帳程のマニアルを読まないとどんな機能を搭載しているのかさっぱりわからないモダンデジカメに飽きた方はチャレンジしていただきたい。くれぐれもレンズだけ取り出して、デジ一眼につけるような暴挙はご勘弁を。
ADOX
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